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都政新報 ~“高校を卒業する”ということ~

【冊子名】 都政新報
【発行元】 株式会社 都政新報社
【発行日】 2008年10月31日

教育支援の現場から 【4】

~“高校を卒業する”ということ~

チャレンジスクールの存在は、都立高校の枠を広げ、高校卒業資格取得のためのアプローチが増えたという意味でも大きなものです。また、小学校や中学校で不登校を経験した生徒や、高校中退者を受け入れるという点でも、「高卒」 をより身近なものにしていると言えます。就職をするにも、なにか資格を取得しようとするにも、高卒資格が必要で、高校はもはや義務教育化されていもとも言えるでしょう。そういった意味で、チャレンジスクールが社会に対して果たす役割は多大であると言えます。
しかし、「受け皿」 としてのチャレンジスクール受験には注意が必要です。都政新報 NPOの相談を通してよく感じるのは、「高校も中学の延長で、入りさえすればどうにかなる」 と考えてしまっている生徒と保護者が非常に多いということです。「都立は私立よりも校則などが緩く、厳しくない」 というイメージがあるかもしれませんが、都立チャレンジスクールも 「高校」 です。
義務教育ではありません。3年間在籍し、出席し、授業をしっかり受け、単位をそろえないと卒業できません。高校中退なんて他人事で、万が一、辞めてもすぐ転校すればいい。うちの子どもに限って中退なんてしない。NPOで相談を受けるのは、ほとんどがそういった思いでいた方々です。その 「まさか」 が起きてしまった時、「高卒の難しさ」 を痛感することになってしまいます。

学ぶ意義や進路を考える

チャレンジスクールの受験には教科試験がないということで、安易に受験をする生徒も多いでしょう。
しかし当然ながら、基礎学力のない生徒がレベルの高い高校の授業についていくのは容易なことではありません。入学は簡単でも卒業には努力が必要です。また、チャレンジスクールである桐ヶ丘高校の生徒の約7割は不登校経験者だそうです。不登校で、中学の出席がなく内申点がないので、チャレンジスクールを受験する。こういった生徒でも、今までの自分にさようならをし、一からきっちりとこれからの学校生活を全うしたいという気持ちがあれば、しっかりと自分の行き先を見据えて前進していくでしょう。
しかし、NPOの関連事業として運営している学力会には、勉強が苦手でチャレンジスクールを受験したいという生徒が多くやってきます。「勉強ができないから」 「勉強をしなくても入れるから」 という安易な気持ちで受験を希望する生徒には、高校の学習についていける基礎学力をつけてもらうとともに、「どのような高校生活を送りたいか」 「卒業後はどういった進路にするか」 という高校の意義について、しっかり考えてもらうような指導を心がけています。全日制の高校でももちろん言及できることだと思いますが、自分に合った高校を選び、入学後も自分の意思を持って学校生活を送らないと、有意義な3年間にはなかなかならないのではないでしょうか。
チャレンジスクールは不登校・中退経験者が多く受験する学校であるが故に、自分の決意とは裏腹に挫折してしまう生徒も多いと聞きます。あるチャレンジスクールでは、残念ながら約3割の生徒が中退をするそうです。高卒認定試験 (旧大検) でその後の進路を切り開くという道もありますが、高認の取得もそう簡単なことではありません。また、高校側も多くの様々な生徒を抱えているだけに、「万人にとって正解」 という指導方法がないのもまた、問題の根深さを物語っています。

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